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伊豆 Archive

空振り Part.3

迷いを振り切って向かった伊豆半島に、期待していた大型アゲハ類の姿は皆無だった。今年の遠征計画は3回連続で空振り。またかよ…。(前回、前々回のことはこことかここを参照)

海岸線をゆっくり車を走らせながら、大型アゲハ類の気配の無さに怯む気持ちを掻き立てながら、とりあえず昨年の9月13日(ここここを参照)にモンキアゲハ、ナガサキアゲハ、カラスアゲハが多数集まっていた富戸漁港付近のポイントへ。ここに居なければ発生してないんだろう、と思ったが本当に居ない。まったく居ない。orz

居たのは越冬明けキタテハとスジグロシロチョウ、ツマキチョウ、ベニシジミ、あと何だか確認できなかったけど青色のシジミだけ。すぐに転進することにして撮りにくい蝶はあまり追いかけず、簡単に撮れたキタテハとスジグロシロチョウだけ撮った。こんなのを撮りに伊豆まで出掛けてきたわけではないのに…。

キタテハ(越冬個体) | Polygonia c-aureum
静岡県伊東市(富戸漁港付近) | 2010/04/30
キタテハ(越冬個体)
RICOH R8
15.1mm(85mm-Equiv.) ISO=100(Auto-Hi) SS=1/660 分割測光 ±0EV WB=昼光
3648×2736 → 800×600(Resized)
スジグロシロチョウ(吸蜜) | Pieris melete
静岡県伊東市(富戸漁港付近) | 2010/04/21
スジグロシロチョウ
RICOH R8
15.1mm(85mm-Equiv.) ISO=100(Auto-Hi) SS=1/470 分割測光 ±0EV WB=昼光
3648×2736 → 800×600(Resized)

その後、一応次回のために国道351号線から奥野林道を経由して松川湖へ至るルートの下見を行った。奥野林道はこのサイトの写真を見ると一般車でも通れそうな雰囲気だったが…、実際には通れそうもなく、途中で断念した。次回ここにくる場合は、林道を歩いて往復する覚悟が必要だ。

ところで、断念直前の沢筋で小さなシジミが数頭飛んでいたが撮影はできなかった。翅の紋様も完全に擦り切れていてボロボロ。この時期にこんなにボロボロなシジミは何だろう?(ルリシジミかスギタニルリシジミくらいしか思いつかない)

さて、この時点でだいたい11:30。これからどこかへ転進するの?初夏の蝶が駄目だったんだから、むしろ早春の蝶に目的を切り替えるしかない。だったら、山に登るか…。

  1. 伊豆半島の最高峰である天城山系へ登ってみる。
  2. 富士川下流域へ行ってみる。(ギフチョウはもう無理だろうけど)
  3. 西丹沢方面へ行ってみる。

で、選んだのは富士川下流域の佐野峠。理由はこの間行ったばかりで迷わずに済むから。馬鹿だね、85kmもあるのに。

到着したら既に14:30だった。カタクリの葉はまだ地上にあったけど花期はもう完全に終わっていて、スミレ類も終わりかけ。まあいいや、と前回歩かなかった林道を歩いてみる。

ルリタテハ(越冬個体) | Kaniska canace
山梨県南部町(佐野峠) | 2010/04/30
ルリタテハ(越冬個体)
RICOH R8
35.4mm(200mm-Equiv.) ISO=100(Auto-Hi) SS=1/620 分割測光 ±0EV WB=昼光
3648×2736 → 800×600(Resized)

他に、ミヤマセセリ?という蝶影を見たが追い切れずに断念。レンタカー+高速・有料道路代で1万円以上かけて川崎市内でも普通に見られる蝶を撮影しただけ、という結果に終わりましたとさ。

それにしても、例年なら4月末には大型アゲハ類が出揃う伊豆半島で全く発生してないとは、他のエリアの発生時期も全体的に大きく後ろにずれそうな気がする。今後の遠征計画も慎重を期す必要があるかもしれない。

9月13日:伊豆・城ヶ崎海岸 その2

前回のエントリーが冗長で読みにくい上に、書こうと思っていたことを書き忘れたりしていたので、エントリー内容を2回に分け、アゲハチョウ科以外の蝶達についてはこちらに転記することにした。(前回エントリーについては、後で書き直します)

アゲハチョウ科以外の蝶たち

イチモンジセセリ

イチモンジセセリ
日時:2009/09/13
場所:富戸駅付近(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:
今回の伊豆行きで最も多数見られたのが本種イチモンジセセリ。田なんて周辺に無いのに…、と思っていたら、この蝶は移動性が非常に強く、時に集団で大移動するそうだ。納得。

ヤマトシジミ

ヤマトシジミ
日時:2009/09/13
場所:伊豆高原(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:
どこでも見られる普通種だが、一見よく似た別種もいるので見かけると念のため斑紋パターンなどを確認してしまう。でも、いつ見ても本種なんだよね。ルリシジミとか、珍しくないようなのに、なんで私は見かけたことがないのか。

ウラギンシジミ♂

ウラギンシジミ♂
日時:2009/09/13
場所:城ヶ崎海岸(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized&Trimmed)
カメラ:RICOH R8
Memo:
ピクニカルコースにて撮影。
本種を見かけることはよくあるが、撮影したのは今回が初めて。もう少し寄って撮りたいところ。翅表の色もわずかに見せてくれている。

ウラギンシジミ♂(2)

ウラギンシジミ♂(2)
日時:2009/09/13
場所:富戸駅付近(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:葉裏で静止。写真では翅を閉じているが翅表の色は確認済み。♂です。

ウラギンシジミ♀

ウラギンシジミ♀
日時:2009/09/13
場所:伊豆高原(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:
自然研究路から脱出した後、別荘地内の空き地で撮影。
翅表の色が青い。翅表さえ見せてくれれば♂♀の区別は容易。

ウラナミシジミ♂

ウラナミシジミ♀
日時:2009/09/13
場所:富戸漁港付近(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:
クサギの花に集まるアゲハたちを待っている間、足元の藪でウラナミシジミが数頭飛びまわっていた。実は本種を見るのは初めて。

ウラナミシジミ♂

ウラナミシジミ♂
日時:2009/09/13
場所:富戸漁港付近(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:CASIO EXILIM EX-FC100
Memo:
翅表の色が一様なので♂だと思うですが、あまり青くないのでイマイチ自信が無い。

ヒメウラナミジャノメ

ヒメウラナミジャノメ
日時:2009/09/13
場所:城ヶ崎海岸(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:ピクニカルコースで撮影。近似種にはなかなか出逢えないなあ。

キタテハ

キタテハ♀
日時:2009/09/13
場所:伊豆高原(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:キタテハも多かった。この個体は思い切り寄っても逃げなかった。

キタテハ♀(開翅)

キタテハ(開翅)
日時:2009/09/13
場所:伊豆高原(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:
それどころか、レンズに触れるほど近づいたら、なんと翅を開いてお尻を上げる交尾拒否ポーズを示した。慌てて撮ったのだが既に遅く、撮れたのはお尻が下がってしまった後だった。慌ててたので翅端も切れてしまった。

このほかには、夕方にヒメアカタテハの姿が増えた。また、富戸漁港付近の海岸沿いで白黒のダンダラ模様の蝶が飛んでいたのを見たが、恐らくゴマダラチョウだろう。

その他(蝶以外)

コジュケイ

コジュケイ
日時:2009/09/13
場所:城ヶ崎海岸(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:
ピクニカルコースにて撮影。肝心の蝶はあまり撮れないのに、こういうものは撮れる。十羽前後が群になって行動していた。

富戸漁港付近

富戸漁港付近
日時:2009/09/13
場所:富戸漁港付近(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:
黒いアゲハたちが次々と訪れたクサギの花は、海岸沿いまでこの山が迫っている道路沿いに咲いていた。

9月13日:伊豆・城ヶ崎海岸

仕事が忙しくてエントリーが遅くなりましたが、予定通り13日に伊豆へ行ってきました。行き先は城ヶ崎海岸です。予報通りの好天に恵まれ、絶好の撮影行となるはずでしたが…。いろいろ収穫もありましたが、撮影行としては失敗でした。失敗の最大要因は歩くコースの選択を誤ったことに尽きます。まあ、詳しいことは後で書きますので、まずは結果をどうぞ。

ミヤマカラスアゲハ(第3化)ならぬカラスアゲハ

今回の伊豆行きの第一目標がミヤマカラスアゲハの第3化でした。ミヤマカラスアゲハは通常年2化ですが、伊豆半島や紀伊半島などの暖地ではごく稀に第3化が見られるそうです。今年は春からずっとミヤマカラスアゲハの撮影に挑戦してきたのに結局撮れていませんでしたから、まあダメ元で行ってみようかと。万一ダメでもモンキアゲハやナガサキアゲハなど、まだ撮ったことのない暖地性アゲハが副産物で期待できるから、と。

結論としては、ミヤマカラスアゲハの姿は見られませんでした。但し、収穫はありました。

まず、特徴的な羽状複葉を持つカラスザンショウがあちこちに生えているのを確認したことです。時期さえ合えば問題なく出逢えそうな予感を抱くことは出来ました。伊豆は暖かいですから、春の発生時期は日原より早いでしょうから、5月上旬頃来てみると面白そうです。

次に、カラスアゲハのあまり擦れてない綺麗な個体(第3化?)を見ることができたこと。カラスアゲハもミヤマカラスアゲハと同じで通常は年2化です。カラスアゲハの第3化が見られるなら、ミヤマカラスアゲハの第3化が見られてもおかしくない、と思いました。詳しくは後で述べますが、コース選択を間違えたせいで午後の時間をまるまる棒に振ったような形になっていましたから、これがなければミヤマカラスアゲハにも本当は出逢えたのかもしれません。(勝手な思いこみです。根拠ナシ)

カラスアゲハ♀

カラスアゲハ♀
日時:2009/09/13
場所:富戸漁港付近(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized&Trimmed)
カメラ:RICOH R8
Memo:
前翅表面の性標が確認できないので、♀でしょう。クサギの花に吸蜜にやってきました。何頭か見られた割と擦れてない個体のひとつです。花の位置がやや高めで綺麗に撮れなかったのが残念。

カラスアゲハ♀(2)

カラスアゲハ♀その2
日時:2009/09/13
場所:富戸漁港付近(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized&Trimmed)
カメラ:RICOH R8
Memo:
上の写真と同じ個体。前翅裏面の白色帯がよく発達して美しい。

カラスアゲハ♂

カラスアゲハ♂
日時:2009/09/13
場所:富戸漁港付近(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:CASIO EXILIM EX-FC100
設定:パスト連写
Memo:
かなり擦れの進んだ♂。右後翅が破れている。このクサギの花は蝶道になっていて、次々と黒いアゲハ達が訪れてくる。

その他の黒いアゲハたち

メイン・ターゲットはもともと僥倖を期待していたようなものでしたから、実際のターゲットはこっちだったようなものです。具体的には、

  • モンキアゲハ
  • ナガサキアゲハ
  • クロアゲハ

などを期待していました。実際、これらの蝶の姿はたくさん見かけました。特にモンキアゲハ・ナガサキアゲハの姿は多く、数十頭のオーダーで見ることができました。

ところが、写真が撮れてないんです。もちろん、何枚かは写真に撮っているのですが、証拠写真程度でBlogにUpできる品質の写真はほとんど撮れていません。富戸駅から歩き出した当初から蝶影は多かったのですが、全体的に擦れた個体が多かったのと、あまりにたくさん居たのとで、ポイント探しを優先させ、あまり無理に撮ろうとせずに先に進んだのが間違いでした。ピクニカルコース・自然研究路に入った途端に、これらの黒いアゲハたちの姿が激減します。コースに入らずに集落の中を歩くべきでした。ピクニカルコースだけは我慢して全コース歩きましたが、自然研究路の方は似たような環境のコースと分かった時点でコースを脱出しました。コースを外れて別荘地に入った途端にモンキアゲハやナガサキアゲハの姿がまた見られるようになりました。

ところが、伊豆高原の別荘地内は広々としすぎて適当なポイントが見あたらないのです。あちこちに花は咲いているのですが、定まった蝶道が無いのでここで待っていればというポイントにならない。モンキアゲハもナガサキアゲハもあちこち多数飛んでいるのですが、どれもこれも飛び過ぎていくだけなので、シャッターチャンスがまったくありませんでした。結果的に午後の時間帯をまるまる無駄にするような形になってしまいました。

ま、とにかく蝶の数だけは多いことだけは確かです。もっと蝶道を特定しやすく、ポイントになる花が咲いていそうなコースを慎重に選択して歩くようにすれば、次回は問題なく撮れるでしょう。

ナガサキアゲハ♀

ナガサキアゲハ♀
日時:2009/09/13
場所:城ヶ崎海岸(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized&Trimmed)
カメラ:RICOH R8
Memo:
ピクニカルコースに入る直前に撮影。後翅に大きな破損のある擦れ個体。あれだけたくさん居たのに、この程度の写真しか残っていない。

ナガサキアゲハ♂

ナガサキアゲハ♂
日時:2009/09/13
場所:富戸漁港付近(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized&Trimmed)
カメラ:RICOH R8
Memo:
比較的擦れが少ない♂のナガサキアゲハ。午前中多数の黒いアゲハたちが集まっていたクサギの花を夕方再訪してみた時に撮影。花の位置が高く、遠めからの撮影になるのでR8 の200mmでも遠く、この程度の写真しか撮れない。300mmある新機種のCX2が欲しくなった。(大して変わらない?)

モンキアゲハ

モンキアゲハ
日時:2009/09/13
場所:富戸駅付近(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized&Trimmed)
カメラ:RICOH R8
Memo:
あれだけ飛んでいたモンキアゲハも、この程度の写真しか残っていない。♂♀はちょっとよく分からない。

クロアゲハ

クロアゲハ
日時:2009/09/13
場所:城ヶ崎海岸(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:
ピクニカルコースにて撮影。
ナガサキアゲハやモンキアゲハに比べると数は少ない。表面も撮ろうと手を伸ばしたが逃げられた。

その他の黒くないアゲハ

アゲハ

アゲハ
日時:2009/09/13
場所:富戸漁港夫君(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:CASIO EXILIM EX-FC100
Memo:
普通種なので普段はあまり撮影しないアゲハだけど、この日はなかなか撮れない黒いアゲハたちにストレスを感じていたので、楽しく撮れた。後翅の青色鱗が発達するのは♀で良かったよね?(忘れた)

アオスジアゲハ

アオスジアゲハ
日時:2009/09/13
場所:伊豆高原(静岡県伊東市)
サイズ:600×450(Resized)
カメラ:RICOH R8
Memo:
やや擦れた個体だけど、綺麗な青空をバックに撮影。いつも敏捷に飛び回るアオスジアゲハは普通種だけど撮りにくい被写体だ。もう少し寄りたかったけど、畑に踏み込むことになるので遠慮した。

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