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キリシマミドリシジミ

西丹沢:大又沢林道 (ミヤマカラスアゲハ・キリシマミドリシジミ)

予定通り - と書き始めようと思ったら今月は遠征予定のEntryを書いてなかった。(汗

えーと、今月は8月6日が唯一の遠征予定日。天気も良かったのでまたまた西丹沢へ行ってきました。※休みは他に夏季休暇がありますが、家族連れになるので蝶の撮影に専念できません。

さて今回のメイン・ターゲットはミヤマカラスアゲハ。昨年5月の日原遠征以来、もう何度目の正直になるのでしょうか。ミヤカラ狙いなら稜線より渓谷だ!ということで今回の目的地は大又沢林道としました。

しかし、今月の遠征予定はこの1回きりですから、ミヤカラだけでなく、他にもセセリやヒョウモンも撮りたい季節です。そこで、ミヤカラがさえ撮れたら大又沢から三国峠へ転進する予定としました。但し、なかなか撮れない時は片道3時間はかかる地蔵平まで往復することになるので、その場合は三国峠へ廻る時間の余裕は無くなってしまうでしょう。

最後に、直前になってもうひとつターゲットが加わりました。キリシマミドリシジミです。ミヤカラ狙いの予習のためにGoogle検索で情報を集めていたところ、「世附 +ミヤマカラス」の検索ワードで「かながわの蝶」という書籍の140頁(Googleブックスのプレビュー(Googleブックス))がヒットしました。こう書いてあります。

ここでのハイライトは、県内では箱根地区とこの西丹沢一帯にしか分布していないキリシマミドリシジミの飛翔を、確実に観察できることである。
かながわの蝶/相模の蝶を語る会編(かなしん出版)

そこでふと思い出したのが、フィールドノートのtheclaさんが8月1日にキリシマ狙いで丹沢の林道を歩いた。と書いてらしたこと。片道2時間以上歩いたとも書かれていたので、これは大又沢林道か世附林道のことに違いない、と勝手に想像して、この蝶も急遽ターゲットに加えることにしました。もっとも私の機材(R8)では樹上のゼフィルス撮影は難しいでしょうから、見られればラッキー、撮れたら奇跡程度の考えです。

カラス、カラス、カラス、…ミヤカラはどこ?

前置きが長くなりました。この日はいつもより2時間近く早く家を出られたので、浅瀬ゲートを8時20分頃に出発することが出来ました。

まずは黒系アゲハですが、今回、黒系アゲハの中で最も数多く見られたのはカラスアゲハでした。林道上の湿地で吸水している個体も多く見られたが、どれも単独吸水で、期待していた吸水集団には出逢えませんでした。また、ややボロな個体ばかりで新鮮な個体が居ません。午後には産卵行動を取る♀を2頭も目撃したことを考えあわせると、時期的にもうちょっと早め、7月下旬くらいの方が良かったのかもしれません。

カラスアゲハ | Papilio bianor
大又沢林道(神奈川県山北町) | 2010/08/06
カラスアゲハ
RICOH R8
35.4mm/200mm-equiv. ISO=400 SS=1/90 F5.28
Macro=ON ISO=Auto-Hi(400) 分割測光 ±0EV WB=昼光
3648×2736 → 800×600(Resized)

カラスアゲハ

RICOH R8
35.4mm/200mm-equiv. ISO=400 SS=1/52 F5.28
Macro=ON ISO=Auto-Hi(400) 分割測光 ±0EV WB=昼光
3648×2736 → 800×600(Resized)
Memo:ややボロな個体ばかりだったのと、吸水中もあまり小刻みに移動を繰り返す個体が多い中、これでも比較的マシに写っている2枚。

カラスアゲハの他には、クロアゲハやオナガアゲハも何頭か現れました。しかし、歩けども歩けども出てくるのはカラスアゲハばかり。いったい何でミヤマカラスアゲハは出てこないの?
………結局、ミヤマカラスアゲハに出逢えないまま、地蔵平まで歩くことになってしまいました。待望のミヤマカラスアゲハに出逢えたのは帰路、それも全ルートの3/4くらい戻ってから。

ミヤマカラスアゲハ | Papilio maackii
大又沢林道(神奈川県山北町) | 2010/08/06
ミヤマカラスアゲハ
RICOH R8
8.9mm/50mm-equiv. ISO=400 SS=1/32 F4.14
Macro=ON ISO=Auto-Hi(400) 分割測光 ±0EV WB=昼光
3648×2736 → 800×600(Resized)

ミヤマカラスアゲハ

RICOH R8
8.9mm/50mm-equiv. ISO=400 SS=1/18 F4.14
Macro=ON ISO=Auto-Hi(400) 分割測光 ±0EV WB=昼光
3648×2736 → 800×600(Resized)
Memo:まずは翅表を2枚、微妙に半開翅ですが。カラス達と違って超美麗な新鮮個体でした。暗かったのでFlash=ONで撮影した方が綺麗だったかなあ。翅裏はFlash=ONで撮影したものもあったのですが、翅表は撮り忘れてしまいました。

ミヤマカラスアゲハ

RICOH R8
35.4mm/200mm-equiv. ISO=400 SS=1/34 F5.28
Macro=ON ISO=Auto-Hi(400) 分割測光 ±0.7EV WB=昼光
3648×2736 → 800×600(Resized)

ミヤマカラスアゲハ

RICOH R8
35.4mm/200mm-equiv. ISO=400 SS=1/34 F5.28
Macro=ON ISO=Auto-Hi(400) 分割測光 ±0.3EV WB=昼光
3648×2736 → 800×600(Resized)
Memo:後翅裏面の黄帯はわずかしか出てません。4枚目が一番良く撮れてるかな。

途中、今回も駄目かと思いましたが、ようやくミヤマカラスアゲハを撮ることができました。撮れた写真にはやや不満がありますが、とりあえず目的を達成したので、ようやく来年はミヤマカラスアゲハに囚われることなく遠征先を決められそうです。

キリシマミドリ乱舞

一方の「見られればラッキー、撮れたら奇跡」のターゲット、キリシマミドリシジミですが、何とあっさりその姿を拝むことが出来ました。

朝、浅瀬ゲートを出発してわずか10分後。大又沢分岐に到着して「ここでキリシマミドリが見られるらしいが…?」と橋の上から見回すと、いきなり目の高さを旋回して沢脇の樹上へ駆け上がる青緑色に輝くゼフィルスが目に入った。うわっ!キリシマミドリだ!本当に見られた!

その場で20分ほど観察していたが、沢脇のアカガシ(?)の周りを1個体が旋回するとすぐに枝先から1~2頭が飛び出して絡み合う。同時に見られたのは最大3頭まででしたが、あっちこっちから飛び出すので個体数はもっと多そうです。ただ、ここのキリシマミドリシジミははるか上の方で飛び回るばかりで、時折下の方に降りてきても凄い速さで旋回して樹上へ戻っていくので、やっぱり撮影はノーチャンスでした。諦めて先へ進むことにしました。

実は私が大又沢分岐でキリシマミドリを観察しているうちに、デジイチを首から提げて大又沢林道を歩いて行かれた方が一人居ました。何となく「蝶を撮りに来た方かな?」と思っていましたが、林道途中で追いつきました。頭上を見上げています。

「キリシマですか?」

と声をおかけしたところ、やはりキリシマミドリシジミを撮りに来られた方でした。この方にいろいろお話しを伺いながら、キリシマミドリシジミの撮影ポイントを2箇所ほど教えていただき、どちらのポイントでもキリシマミドリシジミが絡み合って飛ぶ様子を見ることが出来ました。特に奥の方のポイントでは、同時に7頭が絡み合って飛ぶ様子まで見ることが出来ました。(ウラギンシジミも混じっていたかもしれませんが…)

教えていただいた撮影ポイントは、どちらも最初に見た大又沢分岐よりも撮影距離がぐっと近く、条件は良さそうです。しかし、それでもR8の200mmではどうにもならない距離でした。教えていただいた方の機材は35mm換算で450mm相当とのことでしたが、それでも「証拠写真程度にしか撮れてない」と苦戦されているようでした。R8からの買い換え候補としてCX3やGXR+P10ユニット(どちらも300mm)を検討しているけれども、もっと焦点距離の長い、それこそSonyのNEX-3/5のようなミラーレス一眼くらいは必要かもしれないと思った。

(続く)

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