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丹沢大山総合調査学術報告書(2007)

  • 2010-06-21 (月) 19:55
  • Books

神奈川県のWEBページで表題の学術報告書を見つけたので、そのうち、特に蝶関連の報告書2編(PDF)と丹沢大山動植物目録のチョウ類(PDF)に目を通してみた。今年、たまたま西丹沢へ連続して遠征に出かけていて、その経験を踏まえて読んだので結構興味深く読めた。

アオバセセリ

丹沢大山動植物目録に次のような記述がある。

西丹沢では時折、多数の個体が目撃されることがあり

この多数というのがどの程度の数を指しているのか不明だが、確かにアオバセセリの目撃頻度は高かった。天候不順にも関わらずだ。アオバセセリが多いということは、同じアワブキを食するスミナガシも多くて良いはずだが、こちらは全く見かけなかった。但し、目録のスミナガシの項には次のように記述されている。

全域に生息し、河原や林道の水たまりで吸水する個体がよく目撃され、また、獣の汚物や樹液などにも集まる個体が多い。

うーむ、目撃できなかったのは天候不順のためか。ある意味、アオバセセリは天候不順にも関わらず多く見られたのはラッキーだったのだろう。

カラスアゲハ・ミヤマカラスアゲハ

目録のミヤマカラスアゲハの項にこうある。

アゲハチョウ類中、前種(カラスアゲハ)とともに最も安定して生息している。

むむむ、オナガアゲハばかりだったけど…。 夏、それから来年に期待しよう。

ヒメシロチョウ

近年では西丹沢県境の三国峠周辺の草原のみに生息している。

むむむ、やはり明神峠から林道を下り始めてすぐにみかけた小さなシロチョウはヒメシロチョウだった可能性が高そうですねえ。時期的にも合ってるし。

詳しくは書きませんが、この「三国峠周辺」は他にも興味深い蝶が多いようです。次の遠征先はほぼ決定です。

トラフシジミ

丹沢一帯には広く分布しているが、一般的に個体数は少ない。

ふむ? トラフは2回も産卵シーンを見せてくれたので、あまり「少ない」という印象じゃないんですけど。まあ、印象はともかく、実際に見たのは3頭(4頭だったかな?)ですけど。

とにかく、良い目録が手に入ったので、しばらくこの目録を頼りに西丹沢へ通おうかな。

アサギマダラ

アサギマダラのことを書き忘れていたので追記。 アサギマダラは、今年2回の西丹沢遠征(5月22日6月5日)で2回とも目撃しているが、特に6月5日の世附林道で薄暗い樹林内を産卵場所を求めるかのように彷徨う姿が印象に残っています。 アサギマダラについては「目録」よりも「丹沢主稜の森林衰退とチョウ相の変化」という報告書の方から記述を引用する。

丹沢主稜部ではタンザワイケマとこれを食する昆虫の増加が注目されているが、本種もこの植物を利用することで増加している可能性がある。

タンザワイケマは鹿が食さず、鹿の食害によりササ類が衰退した丹沢全山で繁茂し始めているようです。

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